「环境建构」スタジオ概要

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  • 2011/08/22 10:56 PM
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「环境建构:Temporary Event Environments 适应型建筑环境的构想与实践」

 一般に建築や都市デザインの設計演習においては、図面や模型、高精度なCGといったヴァーチャルな手段でデザインを行ない、評価を行う。これは実際の建設プロジェクトでも用いられる重要かつ基本的な手法であり、それを十分自分のものとすることは建築家を養成する過程において最も重要なものである。一方現在の中国をはじめとする21世紀の初頭に急速に開発のすすんでいる都市においては、CGがそのまま立ち上がったようなアイコニックな建築が乱立し、ヴァーチャルな想像が無責任に実現されているように考える。

 このスタジオの目的は、そのような無責任な一方方向のプロセスではなく、自ら発想した空間のデザインを、試作によって試し、デザインを発展させ、グループで協力し、材料や部品を発注し、実際の空間としてつくりあげることである。さらにはその空間の魅力を提示し、ゲストと共に自ら体験してみることで、デザインから体験までの一連のプロセスを経験することができる。

 スタジオは個人でデザインを行う前半と、履修者が一丸となって一つの仮設環境を実現する後半部分に分かれている。前半は大連市内から自分で敷地を設定し、その場所の環境を楽しむことのできる仮説的な環境をデザインすることをテーマとした。後半は大連理工大学建築与芸術学院の前庭を敷地とし、多数の人間が一度に体験できる空間を実際につくりあげることとした。(山代悟)

「前期過程」

 スタジオの前半は5週間に渡って行なわれた。学部の3年生、4年生、修士課程の1年生からなる混成のスタジオであり、23人の履修学生を迎えることができた。

 前半はこの23人の学生が個人で取り組み、デザインの提案をおこなった。課題は大連市内からそれぞれが好きな場所を選び、その場所の特徴を活かしながら仮説的な構造物や装置をデザインし、提案することである。この構造物や装置は、学生達がグループになって協力しあえば、実際に製作可能であることが条件であった。

 スタジオでは当初各個人の敷地の選定からはじめ、最初のデザインの発想がスケッチやCGなどで提案された。さらにはそれぞれのアイデアをもとに、具体的な材料を見つけ、部分的な試作を行うことが求められた。スケッチやCGではうまくいくはずのデザインも、試作を行うことで問題点が発見され、修正がもとめられた。時には試作を行う中で当初は考えていなかったようなデザインにたどりつき、デザインが進化していくこともあった。そのようなアイデアの突然変異とでもいうべきプロセスは、失敗というよりもっとも尊重されるべきものであった。通常の設計演習においては、その建物の配置や形態、抽象的な概念の方が重視される。しかし、このスタジオにおいてはそのアイデアを実現するための材料やその組み合わせ方、そしてその素材自身のもっとも効果的な使用方法が繰り返し問われることとなった。そういったデザインプロセスは学生にとって全く経験のないものであっただろう。

 このデザイン過程において重要な役割を果たしたのは、ビデオによるデザインプロセスの記録と報告であった。通常、建築設計のエスキスにおいては、試行錯誤を経て得られたもっとも優れたと考えられるアイデアが提示され、評価される。しかし、今回のスタジオのような実作を伴うデザインプロセスにおいいては、多くのアイデアは失敗する。しかし、その実験の様子や失敗の様子そのものをビデオに記録し、先生や他の学生にプレゼンテーションすることは、プロセスそのものを楽しむことや、失敗の中から新しいアイデアをみつけることにつながった。

 当初は不慣れなデザインプロセスにとまどっていた学生も多く、何を求められているのか理解出来ないものも多かった。しかし、ある時から自らの作業の様子をビデオに記録してもってくる学生が現れ、次第にスタジオの進め方の共通の理解が出来上がっていった。(山代悟)

「後期課程構成」

 スタジオの後半は、スタジオの履修者23名全員で一つのインスタレーションを実際につくりあげ、そこで行なわれる照明や音響による演出イベントを行うこととした。敷地は大連理工大学建築与芸術学院の前庭。そこに正三角形と正方形を組み合わせた「野老グリッドTOKOLO Grid」と名付けた幾何学図形を応用したなんらかの構造体をデザインすることが条件である。最初に23人の学生を4つのグループに分けて提案を持ち寄り、そのなかから発展性と実現性のあるアイデアをひとつ選び、全員でそのアイデアを発展させ、実現させることとした。

 選ばれたアイデアは、この幾何学の各交点に柱を立てると考えたときに、一見多様に見える交点が実は全て同じ梁の取り付き方をしていることに着目したものであった。当初はパイプとフレキシブルに曲がるジョイントとロープによるテンションを組み合わせた構造体を構想し、試作もおこなってみたが、強度的な問題もあり実現には困難が予想された。そのため、より加工も容易である木製の板を主材料とし、ジョイントはステンレスの曲げ加工を施した単純な作りのものとすることにした。一見複雑そうな平面は、実際には一種類の板柱、同じ長さの梁、3枚のステンレスの薄板からなる一組の金物で実現されることとなった。それぞれの段階において、材木や金物を試作し、施工性やデザイン性が試された。

 スタジオの最終段階においては、仙台仙台高等専門学校助教の酒井聡氏にスタジオの指導に加わってもらい、この仮設環境をひきたてる照明と音響を組み合わせた演出について検討が行なわれた。最終的に音センサーを用いたオリジナルの照明のコントロール装置を使用し、音楽や会場での人々の話し声によって明滅する照明がデザインされた。

 出来上がった仮設環境には300名ほどのゲストが招待され、一夜のイベントが行なわれた。学生達が考えた環境の中に実際に多数の人々が入り思い思いの時間を過ごす。学生達は自分たちが発想した空間の中で、実際に人々がどのように振舞うかを身をもって体験することができる。デザインの発想、試作、発展、製作、そして体験という一連のプロセスが実現した瞬間であった。(山代悟)

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