大連市甘井子区にある、老朽化した体育場の改修計画である。青少年らが運動員としてトレーニングを積むための場であり、年に数回開かれる地域の体育大会の会場となるなど、地域にも開かれた公共的な施設でもある。グラウンド、主席台、観客席の改築に加えて、新たに体育館と宿舎を増築する。敷地南側から西側にかけて敷地境界線に沿って鉄道が走り、また東側は市街地に隣接しており、敷地内部へのアプローチは北側の大通りのみとなる。クライアントからは、最低限のコストで建築可能なこと、迅速な施工が可能であること等が要求された。これらの条件を満たした上で、体育場としては特殊な敷地条件に対応した動線計画と、公共の活動場として象徴的な観客席壁面のデザインが設計のポイントとなった。

全体は入り口側に体育館が位置し、宿舎は主席台の背後に配置される構成となっている。宿舎と主席台の間には幅5.5mの歩行者用プロムナードが設けられ、車動線と歩行者動線を分離することで、試合開催時等、大量の人々が体育場を利用する場合にも移動が円滑に進むよう計画した。宿舎には、来賓が利用する接待室が併設され、主席台からブリッジを介してアクセスする。

主席台とその両翼の壁面は、中国の施工現場では一般的な仕様であるRCラーメン構造+ブロック組積造を採用。RCによる梁の上にブロックを重ねる単純な構成としながら、リズミカルな表情を持つ。この壁面パターンは体育館にも適用され体育場全体を印象づける役割を担う。

 

甘井子区体育場リノベーション

  • 建築設計:山代悟+范悦+ビルディングランドスケープ+大連理工大学都市計画建築設計研究院
  • 施工図設計:山代悟+范悦+ビルディングランドスケープ+大連理工大学都市計画建築設計研究院+中国建築東北設計院
  • 設計期間:方案設計2012年4月-2012年7月 施工図設計2012年8月-2012年10月
  • 主要用途:小学校 □所在地:大連市甘井子区営城子
  • 敷地面積:15,000㎡
  • 延床面積:11,000㎡
  • 規模:地上5階、地下1階
  • 撮影:Zou Lei.