営城子中心小学校
大連市甘井子区内における3つめの小学校のプロジェクト。標準的なプログラムの小学校であり、建設コストも一般的なものであった。機能的、効率的な設計でありながら、生徒の教室以外での活動拠点となるオープンスペースをつくりだし、この地域の小学校建築のモデルとなり得るような普遍性、汎用性のある設計を目標とした。
構造合理性の観点から、大空間の体育館と教室等が配置されるメインビルディングの二つの建築に分割し、厨房と食堂を体育館の半地下に配置した。メインビルディングは、1階に低学年のクラスルーム、2階にすべての学年の生徒が利用する特別教室を配置し、2、4階に高学年のクラスルーム、5階に教師のオフィスを計画した。体育館とメインビルディングの間に、緩和空間として中庭を配置し、中庭を囲うようにオープンスペースを設ける計画とした。中庭わきのエントランスから、二階に続く吹き抜けの大階段と一体に、展示のための空間を配置、二階は開放型の図書観覧スペースとし、展示、閲覧、休憩、様々な活動を包含する空間とした。
地域の主要道路に面する象徴的な体育館の立面には、コンクリート在来工法を用いてつくれる壁面のパターンを工夫した。カーテンウォールのように比較的自由なファサードを、安価で施工も簡単な純ラーメンコンクリート構造で実現するため、周水子小学校で採用したコンクリート梁とブリックを組み合わせた工法を応用して提案。詳細3Dモデルや模型を用いて検証し、施工図で採用された。この工法は以降様々なプロジェクトに応用、発展していくこととなる。
営城子中心小学校
- 建築設計:山代悟+范悦+ビルディングランドスケープ+大連理工大学都市計画建築設計研究院
- 施工図設計:山代悟+范悦+ビルディングランドスケープ+大連理工大学都市計画建築設計研究院+中国建築東北設計院
- 設計期間:方案設計2012年4月-2012年7月 施工図設計2012年8月-2012年10月
- 主要用途:小学校
- 所在地:大連市甘井子区営城子
- 敷地面積:15,000㎡
- 延床面積:11,000㎡
- 規模:地上5階、地下1階
- 撮影:Zou Lei.