普及型CLT建築実証棟
林野庁補助事業『CLT等新たな製品・技術活用建築物実証事業』として採択された、普及型CLT建築のプロトタイプの計画。CLTはCross Laminated Timberの略(日本語表記では直行集成板)で、1995年頃からオーストリアを中心として発展してきた新しい木質構造用材料。
寸法安定性の高さ、厚みのある製品であることから高い断熱・遮音・耐火性を持つこと、また、持続可能な木質資源を利用していることによる環境性能の高さ、RC造などと比べた場合の軽量性などがメリットとして挙げられる。
日本においては構造材としての強度データが揃っていないことから、建築規模の大小を問わず時刻歴応答解析による煩雑な構造計算が必要であり、普及の足かせとなっていた。本計画ではそうした状況を踏まえ、在来軸組構法にCLTを耐力壁・耐震壁として組み込んだ構成とすることで、構造計算の簡略化や施工性の向上を図った。部材間の留め付けに使用する金物についても、一般に多く普及している住宅用のものを組み合わせることでコストを抑えた仕様としている。合わせてCLTの壁耐力試験を行い、許容応力度計算で構造設計可能なCLT建築の実現に向けた第一歩を踏み出した。(一部、一般社団法人 日本CLT協会ウェブサイトより抜粋)
普及型CLT建築実証棟(2015年2月竣工)
- 事業者・施工:長谷萬
- 設計:山代悟+ビルディングランドスケープ
- 技術指導:東京大学生産技術研究所腰原幹雄
- 設計期間:2014年10月~2014年12月
- 主要用途:プレカット工場内の事務、休憩スペース
- 所在地:群馬県館林市
- 延床面積:55㎡
- 撮影:ビルディングランドスケープ