CLTハイブリッドプロトタイプ
CLTハイブリッドプロトタイプは大分県木材会館のために作成された。1階に一室空間の事務所、2階に小規模なテナント群、3階に大会議室を有する事務所ビルであり、今後の我が国におけるCLTを使った都市木造建築のプロトタイプをつくることを目指している。
CLTを無理なく使用するためのCLTと製材・集成材のハイブリッド建築を提案した。具体的な形態としては、廻りや縦動線などを収めた東西のダブルコアをCLTで作り、耐力壁をダブルコアに集中して配置することで、中央部を製材と集成材で作る開放的な空間としている。東西のダブルコアが構造体として機能するだけではなく、西日が中央の居住空間に与える影響を抑えるなど、環境調整のためのバッファーとして機能することも期待している。
都市木造のプロトタイプとして、外部からから見える箇所に木材を使用することは重要である。しかし木材は外部に使用した場合、保護塗料など様々な方策を用いてもある程度の経年変化は避けられない。木としての美観を保ちつつ外装材として木材を使用する方法を検討した結果、軒下など雨掛かりを抑えられる場所に木を外装材として使用し、風雨に晒されやすい場所には木チップを練り込んだ窯業系サイディングを採用することで都市的な環境の中での、都市木造としてプロトタイプを目指した。
CLT ハイブリッドプロトタイプ
- 設計:山代悟+ビルディングランドスケープ
- 構造 ・防耐火設計: 桜設計集団
- 設備設計:ピロティ
- 設計期間:2016年1月~2017年10月
- 主要用途:事務所
- 所在地:大分県大分市
- 構造:木造(CLTパネル工法+在来軸組工法)
- 敷地面積:1368.12㎡
- 建築面積:559.24㎡
- 延床面積:1340.31㎡
- 規模:3階建て