ウッドチェンジ中規模ビル
木材利用に取り組む民間企業ネットワークの構築事業(ウッド・チェンジ・ネットワーク)における令和2年度の中規模ビルWGの取り組みとして設計された、普及型の中規模木造ビルである。
建物全体を12m×24mのユニットの組合せにより構成し、それぞれの規模を小さくすることにより耐力要素は外周部のみとし、内部には柱のみが現れる構成を可能にしている。外周部には1~1.2m幅の150mm 厚LVLを、内部には6mピッチで柱を配置している。梁は外周部においてはそれぞれの壁柱をつなぐとともに内部においては1.5mピッチで配置され、床に用いた90mm厚のCLTを支えている。壁柱の上下の接合は剛接合としているが、梁はピン接合としメリハリのある構造計画とした。
本計画は規模から、準耐火構造を要求される。イ-1準耐火構造とし、壁、梁、柱は燃えしろ設計とすることにより、積極的に構造体の木を内部にあらわしとする計画としている。居室においては部分的に100m²以下とし、かつ天井高を確保することで内装制限がかからないようにし、木質感のあふれる室内空間とした。
建物をユニットに分割することにより、様々な形状の敷地に合わせた計画、規模の拡大縮小が可能である。また、告示に定められている範囲で可能な計画とすることで地域の設計者や工務店も取り入れやすいよう配慮した。
ウッドチェンジ中規模ビル
- 建築設計:山代悟+ビルディングランドスケープ
- 木材使用量:671㎥(うち国産材671㎥)
- 主要用途:事務所
- 主要構造:木造
- 規模:地上3階
- 建築面積:1,044.83㎡
- 延床面積:2,596.30㎡
- 最高高さ:12.9m
- 階高:4.2m,3.8m
- 天井高:2.85m,3.09m